掃き溜め

快楽主義の依存体質が破滅していく道程

パチスロで負けた話

ぼくは、直近パチスロで負けまくって有り金をほとんど失った。

今回はその一部始終をお届けしよう。

 

1日目―沖ドキGOLD

AT機。ジャグラーのような感じで光れば当たりというシンプルなゲーム性だが、内部状態による連荘が存在。多くのパチンカスの脳を焼いている。
AT機…アシストタイム機。特定の押し順で押したり、特定の図柄を狙ったりしないと揃わないベルが高確率で成立している台。当たりを引くと押し順をナビしてもらえるため、出玉が増えるという仕組み。

ある日パチ屋をうろついていると、4スルー約450Gの沖ドキGOLDが落ちていた。有利区間は1200Gくらい走っている。この台は2000G以降の当たりで有利区間を再設定する仕様だ。天国に上がるときはこのタイミングで上がってから有利区間を終える。つまり何が言いたいかというと、この台は何も起こらずとも550Gも回せば当たり、天国へ上がって連荘する可能性も高いってことだ。

天井…AT機の多くにある機能。一定ゲーム数ハマると発動し、何らかの恩恵がある。
天国…沖ドキシリーズにおける内部状態のひとつ。これに入ると、32G以内にボーナスに当選する。

ぼくはこのチャンスを逃すまいと思い、打ち始めた。投資14kくらいを経たころだろうか。ハイビスカスが光った。REGだった。

天国へは上がらなかったが、5スルーであり、有利区間も2000Gを越していないから続行した。すぐにBIGを引いて8連、1180枚ほど獲得した。

彼はハイエナが成功したことに大いに喜び、投資分を換金したのち、残りの500枚ほどを貯玉した。―次のハイエナのために……。

 

しかし、この時の彼は知らなかった。この成功体験が後の破滅を招くということに。

 

2日目―アナザーゴッドハーデス

AT機。1/8192のGODフラグでおなじみ。大体犬が出てショボ出玉で終わる。

この日はゾーン狙いと称して、CZ高確の200G、400G付近の台を打ち、CZに入らなかったらヤメという立ち回りをした。50G前位から打ってるので普通にマイナスだと思う。馬鹿な限りだ。この日は運よく2台目でヘルゾーンに突入、このチャンスをものにしてGOD GAME獲得。ペルセポネは100Gしかくれなかったが、それでも400枚くらい出てちょっとプラスで終了。

CZ…チャンスゾーンの略。これを成功させると、出る区間に突入する。

3日目―新ハナビ

ノーマル+RT機。ボーナスで出玉を増やす台。当たると変な出目が出て当たったことが分かる。このパチンカスのお気に入りの台のようだ。

この日は神戸にいた。就職活動のためだ。新幹線で東京から神戸に向かったことで、企業から交通費を3万ほど貰った。「美味しいものでも食べてきてください」企業の事務員さんはそう言っていたのに、このクズはあろうことかパチンコ店に向かった。

好きな新ハナビに座り、打ち始める。全く当たらなかった。当たっても出玉が繋がらない。遅れが全く刺さらない。

遅れとは…パチスロにありがちなリール始動と始動音がずれる演出。ハナビならチェリーを狙って入賞しなければ大当たり。熱い。

ついでにこいつは目押しが下手くそだ。リプレイ外しは最近できるようになってきたけど、REGの2コマ目押しも怪しい。つまりは期待値マイナスだ。幸い、三宮エリアは等価地域らしいのだが……。

等価…等価交換のこと。1000円50枚でメダルを借りたら、50枚1000円で交換できる。

気が付いたら設定1でも1/156で当たる台で大当たり確率1/300のスランプグラフをこさえていた。-20k。貰った交通費を彼はほとんどハナビにぶち込んだのだ!

これは経験則に基づいたオカルトだが、借りた金、使ってはいけない金、打つべきでない時に打つギャンブルは大抵、負ける。案外お天道様は見ているのだ。

こういう結果にしてもらえていることが幸運な気もしないでもないが。

 

4日目―沖ドキGOLD

神戸から帰り夕方まで眠った末、彼はパチンコ屋へ向かっていた。貯玉でパチスロを打つためだ。彼の目に留まったのは540Gの沖ドキGOLD。持ちメダルならギリプラスか?

この台はこの日初当たりを取れておらず、最終54G終了の台。リセットがかかっていないなら54G早く天井に行くし、きっちり1000G目で当たるならリセットがかかっている。

942G、BIG……。どっちだよ。

2台目。4スルー天国間1000Gほどの台を発見し、打ち始める。初当たりが軽いけど、一向に天国へ行かない困った奴だった。

暫く打つとREGを引いた。天国へは上がらなかった。

5スルーはゼンツと聞いていたので、ゼンツした。途中でBIGを引いたが天国へは上がらなかった。この辺で天国間2000Gを突破。次は天国次は天国と心を無にしてハイビスカスと対峙する。REGを引いたが天国に上がらず、絶望した。

 

―彼は1つ大きな間違いをしている。

確かにこの台は有利区間2000G以後の当たりで、有利区間を再設定するし、このタイミングで天国に上がることもある。しかし、それは通常Bだった時の話。

「有利区間2000G経過後の大当たりで、内部状態が通常Bであったときに限り、天国にあがる」

通常B…天国に上がりやすいちょっとしたチャンスモード。GOLDの場合、天国に上がるまでは通常Bに落ちることは無い。パチンカスは通常Bが確定すると天国までぶん回すぞ。

つまり、通常Aの時はただ有利区間を切って終わりなのだ。彼はそれに気づかず、ずるずると台に金を突っ込み続けた。17000円と貯メダル500枚を使った彼の心は折れ、1500円ほどの回収でとぼとぼと帰宅。

5回目の当たりの時、スロー点滅してた気がするが、そんなのは知らない。「示唆」だからどうせ通常Aだと思った。

彼は交通費だけでなく、口座の預金もほどんど全て使い、破滅した。

通常A…通常モード。激寒。沖ドキの立ち回りは如何に通常Aを打たないかに集約される。

パチスロは普通に打ったら負ける。勝てる区間もあるけど、仕様を良く知らずに突っ込むと痛い目を見る。それを忘れてはいけない。

希望的観測をし始めたら終わりなのだ。