掃き溜め

快楽主義の依存体質が破滅していく道程

そうだ童貞、やめよう(ソープ初体験レポ)

7月下旬から8月上旬と言えばコミックマーケット(通称:コミケ)の締め切りが近づいて作家一同の修羅場は危険な領域に突入する…まぁそんな時期である。そして僕自身も同人誌を執筆しており、まさに修羅場の中にいる…はずだった

 

 

 

 

 

ぼくは何をしていたかというと・・・・・・・

 

 

 

 

 

ソープランドに行った(なんで?)

 

 

 

それは8月1日、締め切りまで残り27時間くらいってころ。ぼくは自堕落な作家の例にもれず、原稿に追われていた。僕の部屋のエアコンは壊れているので、PCを涼しい部屋に持ち出して作業していたのだが、音楽ガンガン鳴らして作業していたらPCのバッテリーが無くなってしまった。これでは作業がしたくても作業ができない、というよりはこの時点でおおよそ形にはなっていたし、あとやることはと言えば表紙のデザインくらいだったので自室のクソ暑い部屋で充電しながら進捗を生むことに戸惑いが生じ、充電が終わるまでは自由時間でいっか、ということになったと言うべきであろうか。そんなわけで図らずもギリギリの工程内に自由時間ができてしまったぼくの頭に浮かんだのが・・・・・

 

 

 

そう、ソープランドだったのである。

 

 

 

 

 

ぼくには自身に課した貞操のゲッシュがあった。それは「エロ同人一冊描くまでは童貞でいろ」というものである。「それ」を知ってしまったが最後、エロを熱量もって描けなくなるかもしれないという危惧があったからだ。ぼくの生涯でやりたいことリストには「同人誌の執筆」があり、これはセックスに対するイマジネーションを有するであろう童貞のうちに済ませてしまったほうが安心である。ほら、今年のプリキュアもイマジネーションの力の大切さを語っているでしょ?これが今まで頑なに童貞を死守してきた理由だったのだが…

 

その本文は描き切ってしまったし…ということで自身が描いたイマジネーションがどれだけ正しいのか答え合わせしてやろう、などと理由を付けて意気揚々家を出たのである。

 

防災無線高温注意情報が流れる炎天下午後2時の夏空を緊張と希望を半々づつ胸に詰めた21歳の童貞は自転車を走らせ、地元の歓楽街(家から4kmくらい)へと向かったのである。

 

 

特に取り柄のない、どちらかというと人生設定が1を割っているような人間であると自負しているぼくであるけれど、強いて自身の強みをあげるとすれば、それは「行動力」であると思う。高校のころなんかは友人から「行動力がすごい」「大それたこと言ってマジでやるやつ」とか言われたものだ。

 

自分ではそんなことないと思っているけれどなぁ…(本当に行動力があればソープで童貞捨てる必要ねえから!!!)

 どうやら世間ではアブラゼミを興味本位で揚げて食ってみたり、雪の塊に陰茎突っ込んで雪オ〇ニーとかってやるとかは普通ではないらしいから周りのいうことは正しいのかもしれない。(どれも浪人時代の出来事である。浪人は心をおかしくしてしまうらしい)

 まぁその行動力故に同人誌を出せるっていうなら悪くはないけれども…

ふと思い立って童貞捨てに行くっていうのはどうなんだろうか…

 

地元の駅に着いたので自転車をコインパーキングに停めて、歓楽街へと足を運ぶ。

身バレ怖いのであまり言わないけど、この歓楽街、ソープランドがすげえたくさんあるんだ…そりゃもう関東でトップクラスと言われるくらいに。

猛暑の中、さすがにこの暑さじゃキャッチのにーちゃんもいないんじゃね?と思ったんだけど、思いのほか声を掛けられる。怖い。怖い!!俺はコミュ障なんだよ品定めくらいゆっくりさせろぃ!!!なぁ!!!という怒りと恐怖の入り混じった感情とクソ暑い中大変だなぁっていうねぎらいの気持ちがごっちゃごちゃになりながら歓楽街を歩く。キャッチのにーちゃんには「もう予約しちゃったから」とか「一周したらみせてくれ」とか言いながら躱す…躱しているつもりだったんだけどねぇ…

 

ついにキャッチのおじさんに声を掛けられ、不意にもホイホイ写真見学についていってしまったのである。おじさん、メビウスの味変わるやつ(なんていうか知らない、吸わないし)吸いながらうちの店はパネマジはないとか、この子は雑誌に載ったんだとか、キャッチから入った客のリピート率がどうこう言っており、ぼくは不幸にも通信販売で驚いてるおばさんみたいなリアクションを取るようになっていた…さすが話は上手い。こうやって風俗堕ちした子が多いのかもしれない。気が付くと60分19000円のコースで入浴する流れになっていた。もともとは50分15000円の店に行くつもりだったけど、指名料も入会金も取らないよっていうからいいかなって。こうしておじさんにホイホイ乗せられ、ぼくは入店してしまったのである。キャッチのいる店は地雷…とは聞いていたけど、下調べしたとき見た店だったから少し安心した。

 

 

待っているぼくはというと、待合室でそんなに伸びてない爪を切って緊張で手が滑って深爪したり、快楽天Beastの火鳥先生のえっちくない漫画なんかを読んだりしながら待っていた。深爪には気を付けよう。

 

 

そんなかんやでついに部屋に通される。階段の踊り場で嬢が待っていた。顔は…悪くはないしかわいいなとは思ったけれど、あまり印象には残らない。むしろ、ランジェリーですげえ格好してることのほうが不思議な感じ。部屋はまるでホテルの個室みたいになっていて、中にはお風呂と並んでベッドとかマットとかが置いてある"あの”空間。

 

あ、これかぁ~~~~~!!!!!!

 

こんなことでベッドに腰かけ、嬢とお話し。ぼくは高ランクのコミュニケーション障害であるから、この間おさわりなんかはできるわけがなく、ランジェリーから出ている太ももばかり眺めていた。大学が休みで…とか4学期制の2タームは暇なんだとかいう話をしていた気がする…ここでわかることが一つ。おそらくこの子、日本語のネイティヴ・スピーカーではない。関西出身とかとプロフィールには書いてあったから大阪あたりに移り住んできた韓国人だろうか?話せないというわけではないけど、言葉がたどたどしくて時々言葉に詰まっている。となると顔も整形かもしれない…

 

ま、そんなことはどうでもいいんだけどね!!!!!

 

そもそもソープで童貞捨ててる時点で負けなわけだし…日本人だからプレイがいいというわけではない。内容が良ければいいんだ内容が!!

 

余談だが、実習のサマースクールに同伴した中国人留学生の女の子の身長と体重が某アイドルゲームの担当とスゴく近かったことを思い出した。(体重を言い出した時は少し困惑した)腕がちょっと細すぎたので少しがっかりした。身長がぼくくらいあるんだから当然だ(当方の体型は筋肉を脂肪に全振りした野獣先輩だと思ってくれればいい)

  距離感が近く童貞のぼくはドキドキしてしまったことを思い出した。童貞…だったんだなぁ

 

という憶測をしていたのでなるべくゆっくり話すことにした。向こうからしたら舐めてると思うのかもしれないけど。

 

なんやかんやで服を脱ぐところに。自分で脱いだ。脱がせてくれなんて横暴なことは言えない、紳士だから。向こうも下着を脱ぎ裸の状態に。胸、Bカップと書いてあったけど、かなり小さい。でもぼくは小さいの、好きだようん。鳩胸なぼくより少し大きいくらいの胸に乳首だけが下品についている。臀部も小さいが、むしろ身体が引き締まっているようで悪くない。そしてなによりお腹だ。本当にあれ、すげえお腹の描写がうまい絵描きの絵みたいでびっくりした。胸の下にかけて中心に腹筋のくぼみが見え、光の当たり具合からひどく強調されている。ウエストからの脂肪の付き、腰つきともにグラビアでも見ているようだった。これ同人誌描きなおしたほうがいいんじゃねえの?インスピレーションをもらった気がした。

 

そこからお風呂で身体を洗ってもらう、本当は介護の用途で使われるらしい俗にいうスケベ椅子に座り、前の部分を洗ってもらう。ぼくは陰毛と脚部の毛は剃っているのだが、ざらざらして気持ちが悪いのか、それとも泡が立たないのか知らないが、「こういうお店に来るなら剃らないほうがいい」と言われた。まぁまた来るかは知らないし、陰毛なんてあるだけ無駄だし、男のすね毛は見ていて辟易するものがあるからきっと剃り続けるでしょうね。確かにカミソリに負けると痛いし黒ずむから今度からおすすめされた脱毛クリームを使ってみるのはいいかもしれない。

 嬢が体を洗う間、湯船に浸かり、歯ブラシを渡され、歯を磨くように言われた。出かける前に磨いたんだけどなぁ…歯をそこそこにまじめに磨き終え、しばらく待っているとマットかベッドかと聞かれ、ここはベッドを選択。マットの愛好家の話は耳に届くが、初めてでマット…っていうのはどうだろうと思ったからだ。

で、体を拭いてもらい、ベッドへ。"そのとき"が近づいていることを感じた。

行ったことのない純粋な諸兄のために説明すると、ベッドには鏡がついていて、頭を起こさずともなにが起こっているのかが見えるようになっている。ぼくは頭を起こしてみていたけれど

 

まず乳首を舐められる。執筆中乳首が結構感じることに気づいたぼく的にはかなりうれしい。それから脇腹、腰へとリップが始まる。こんなの催眠音声でしかしたことないよ?性感の高まりを感じる…それからぼくの愚息が軽く咥えられて、手コキが始まる。なるほどキャッチのおっさんのいうことは間違っていない。緩急が付けられていて、本気で腰を砕くような手コキ。ここで逝ってしまっても後悔することはないだろう。

もう少しこれを楽しみたかったけど、マジでやばいってなる前にやばいとすっとぼけて、本番へ。ゴムが施されて嬢が跨る。相手のあそこをみたかったけど、挿入している部分がぼんやり見えるだけで、なんだか現実感に欠ける。これで童貞卒業ですか。よく膣内は暖かいといわれがちだけど案外そうでもない。熱を感じるのは動いた際の摩擦熱である。ふんわりぼくの分身は包まれて、感じるようなそうでもないような…でも心地はいいような…?ゴム根元の部分が上下に動くということは締められているのかなぁ…と思った。むしろ快感のメインはゴムが上下に動いて擦り付けてくるというものだ。これで女性の膣がカズノコ天井だとか巾着だとかとソムリエできる奴は何者なのだろう。どれだけ感覚が鋭いのだろうか…?たばこも酒も最初から味を細かく表現できるほど味わうのは難しいからそういうものなのかもしれない。

これだけではゴム付けてオナニーしているのと大して変わらない。何がやばいかというとやはり腰が触れ合っていることである。跨られている圧迫感、これでは快感からは逃れられない。あぁ逃れられない(カルマ)それから腰が擦り合うということは元々性感帯としてそこそこ強力である腰にも快感があるということである。セックスとは陰茎で感じるのではなく、腰で感じるものなのではないだろうか。割とすぐに射精感が昇ってきたが、やりたい体位があるといって止まってもらう。

 

やりたい体位とは…そう座位である。

ぼくがエロい漫画で一番好きなのは座位からのディープキスである。これをせずには終われねぇんだ。で、座位の姿勢になり、こういう感じで動くんだよと教えてもらったが、嬢曰く座位が苦手らしい。えぇ・・・

でまた騎乗位に戻り、そのままフィニッシュ、呆気ない、呆気なさすぎる…まるで荒木飛呂彦が描く「死」のようである。童貞の死はこうもあっけないものなのだ。嬢は跨りながら童貞の終焉を祝ってくれた。あまりうれしくなかった…童貞より素人童貞のほうが救われない存在じゃないか…!!

 

それから再びお風呂で体を洗ってもらい、少し話をした。ぼくは正直ノンケとは思えないんだという話をすると、「どちらかわからないということはどちらも好きになれるんだと思うよ」と言ってくれた。どちらにも同程度興味がないともいえると思うのだけど…それから恋愛に受け身になってちゃダメともいわれる。確かに。しかしながら、ぼくの描く恋心に自分はいないのである。ぼくのする恋とはどうかこんなクズを尻目に強く生きてほしいという祝福に過ぎないのだ…それから喪失感からくる乾いた笑いをこらえながら、時間は終了。嬢の手を握って別れた。

 

結論、もう少しイチャイチャしたかった!!でもその白々しさに耐えられるかわからないのでこういう淡泊なのでよかったのかもしれない。結局キスもできなかったし、膣を観察して創作の糧とすることもできなかった。しかしさすがプロ、テクは超一流。腰を抜かしかねないぞ…!!というわけで事後アンケートには「したいことができなくて消化不良な気がしたけど、テクはすごい」って書いて出た。これがその時のツイート

 

https://twitter.com/_phm__/status/1156828518480670720?s=20

 

それからかえってシャワーを浴びて完チューハイを飲んでから少し眠った。射精後特有の虚脱感がいつもより長く続きそうだった。

 

第一部、完