掃き溜め

快楽主義の依存体質が破滅していく道程

タバコ遍歴(その1)

さて、この掃き溜めブログの第二回まで、性遍歴を綴った訳だがネタが切れてしまった。依存体質なブログと銘打ってるのでタバコについてでも紹介しよう。

 まず、ぼくは喫煙者だ。タバコの値段は高騰し、健康にも悪い代物を今どき始めようなんて言う偏屈はあまりいないだろう。確かにタバコ、高いし身体に悪いけれども、実はいろんな楽しみ方があり試してみると結構楽しいものである。(しかも紙巻たばこより大抵はうまい!)

タバコがぼくを引き付けるのは何もニコチンばかりではない。嗜好品の中でも特に「無駄」なのがとても愛おしいのである。酒にしても菓子類にしてもカロリーがあり、多少は人間の生命維持に寄与してしまうが、タバコは違う。カロリーがないから生命の維持に何ら影響をもたらさない。

「人間の数少ない長所の一つは無駄なものを愛せることである」

というぼくの価値観にピッタリはまる。無駄ゆえに最も人間らしい嗜好品であると思う。しかしながら、紙巻たばこ(あるいは電子タバコか)ばかりが蔓延る現代の喫煙事情はあまり頂けない。タバコをニコチン摂取の目的でのみ吸い、いつも同じ銘柄ばかり吸い続けていては折角の無駄を愉しみきれていないように思える。そのような喫煙は喫煙者が薬物中毒と揶揄されても仕方のないものである。

 手間をかけて金も時間もかけて味覚を研ぎ澄まし無駄を目一杯楽しむ、そういう「嗜好品」と呼ぶに相応しい喫煙を啓発するために今回はいろいろな喫煙方法を紹介しよう。後述するが、葉巻などは非喫煙者でも時々楽しむに足るものであると思う。

 

点数は五点満点で採点。喫煙方法の傾向を示す

★紙巻きたばこ

依存性(5/5)

趣味性(1.5/5)

味(2/5)

コスパ(2/5)

 

今や主流ともいえる紙巻きたばこ。コンビニか何かで購入し、フィルターの部分を銜えてライターで息を吸いながら炙ると吸うことができる。肺に入れて吸う人が多い。これはニコチン摂取の意味が非常に強く大した味がしないので、最初吸ったときはわけがわからないのではないだろうか。メンソールは割としっかり清涼感がある。凝る部分もせいぜいが喫煙具くらいだ。リトルシガーにすることで税制をかいくぐり安くなっているタバコもあるとはいえ、コスパは後述する手巻き、キセル、パイプ等には及ばない。

 

説明不要だろうから、これくらいにしておこう。

〇好きな銘柄

ピース(20) バニラ感が強くて結構好き。フィルター付きならこれがいいかな

ピース(10) 上のフィルター付きのピースよりタバコ感が強い。両切りタバコ

 

★手巻きたばこ

依存性(4.5/5)

趣味性(2.5/5)

味(3.5/5)

コスパ(4/5)

 

上のような紙巻きたばこを紙と刻みたばこと(使うなら)フィルターを用いて自作するスタイル。ニコチン摂取の意味合いが強いが、大体の場合喫味は強めで味がはっきりしている。ぼくはフィルターは使わない。味を落としてまで健康を取りたくないし、実は健康への害はタール値を落としたからと言って大して変わらないからだ。フィルターを使わずに巻いてふかしていたほうがよっぽど嗜好品らしいし健康的な付き合い方だと思う。フィルター、紙、刻みたばこのブレンドなどのカスタマイズ性が高く、「巻く」という面倒な過程が含まれるので趣味性は紙巻きたばこより高い。紙巻きたばこがコンビニで買った缶コーヒーだとしたら、手巻きたばこは家で淹れたコーヒーくらいのポジションだ。コスパはまぁまぁ高い。吸うのが面倒くさくなるし、紙巻よりも燃え進むのが遅いために喫煙時間が長くなる。それに巻き方にもよるが2箱分のたばこ銭で40本以上は巻けるはずだ。

 

〇好きな銘柄

ゴールデンバージニア… 熟成の深いバージニアとちょっとバーレーというブレンド。コクや酸味、甘みが感じられる安くておいしい定番の銘柄だ

 

ハイタバコダークファイア・・・黒たばこである。よく鰹節と例えられる香りとコクは一度試してほしい。

 

アークロイヤルパラダイスティー…紅茶風の着香がされており、気分転換に良い。

 

キセル

依存性(2.5/5)

趣味性(3/5)

味(3.5/5)

コスパ(5/5)

 

昔ながらの喫煙法。雀荘キセルをカーンと打ち付けながらリーチしてみたい。激熱にっぽいし、パチンカスが多いから伝わりそうだ。キセルにタバコを詰めて吸う。それ専用の刻みたばこもあるが、火皿の大き目なキセルを買って、手巻きたばこを詰めて吸うのがおすすめ。タバコに無駄が出ないので、手巻きたばこよりもコスパが良い。巻く面倒がない代わりにやや喫煙技術が求められ、掃除をしなくてはならないが、電子タバコが普及した昨今では掃除の面倒はそこまで苦でないかもしれない。吸うものは手巻きとあまり変わらない。ふかしで吸うことが多いために依存性は控えめ

 手巻きや紙巻にないのはやはり、使い続ける道具があることで、道具に拘れるという点では上記の二種よりも趣味性は高いといえる。なにより愛着が湧くのである。

 

〇ぼくのキセル

黒船煙管…3000円くらい。火皿が大きく、手巻きたばこを吸うのにも使える。分解もできてお掃除も楽だ。真鍮製で使い込むごとに味が出てくるのが愛おしい。

 

柘製作所(tsuge) 黒船煙管 #50915

柘製作所(tsuge) 黒船煙管 #50915

  • メディア: スポーツ用品
 

 

〇好きな銘柄(基本は手巻きと同じだ)

小粋・・・JTが生産している唯一のキセル専用たばこ。セブンスターに使われてる達磨葉も含んだ在来種のブレンド。複雑な風味に驚くだろう。美味しい。

 

★葉巻たばこ

依存性(2/5)

趣味性(2.5~4/5)

味(5/5)

コスパ(1/5)

 

断っておくと、ここでの葉巻はプレミアムシガーを指す。手で巻かれ、湿度管理を行う必要があり、シガーカッターでふさがれてる部分をちょん切って吸うやつだ。

基本はふかして吸う。所作などはあるが、基本はカットして火を付ければ吸える。

すべてのタバコの頂点に立つくらいに美味しい。そして高い。保管が面倒くさいので、箱買いして、家で保管するとなると、その趣味性は増加する。試してみたければ葉巻を提供しているバーに行って頼むのが一番楽で間違いがない。

 タバコをやめられても葉巻はやめられないだろう。それくらい葉巻は絶品で酒類にもよく合うし、吸いきるのに一時間くらいかかるためにゆったりとした時間を愉しむことができる。同じ銘柄でも個体差があり、体験は毎回微妙に異なる。味覚を研ぎ澄ませてゆったりと味や香りを楽しむ「嗜好品」としてのタバコの原理主義的な位置づけにある。

 

非常に高価(1本1800円~)なので、ぜいたく品として自分へのご褒美だとかバーに行った時だけ吸うだとかという付き合い方がかえってできるため依存性は低く、非喫煙者の愛好家もいるのだとかいないのだとか。これを欲張って箱買いするなどという暴挙に出れば、諭吉が何人いても足りないと思おう。

 

〇好きな銘柄(味は諸説あるので信じ切らないように)

ロメオイフリエタ ベリコソス…葉巻の国、キューバの一本。ウッディでフルーティーな感じでざっくりいうと甘い。ぼくの墓の前にはこれを備えてほしい。

 

ホヨードモントレー エピキュアNo.1... これもキューバ産。上のロメオがフルーティーだとすると、砂糖あるいはカラメルに近いような甘さで土っぽさを感じる葉巻。ホヨードモントレーは味わいが繊細めで非喫煙者に好まれそうな感じがするし、地元のバーでもホヨーが推されてた

 

ほかにもパイプも好きだが、またの機会にしよう……結論から言うと、葉巻は一度は吸ってみな。トぶぜ?ということでした。ほなまた